生理痛（月経痛）

生理痛（月経痛）の原因と症状、対処法

生理痛は、月経時に発生する痛みや不快感を指します。
軽度から重度まで症状は様々で、日常生活に支障をきたすこともあります。
以下に、原因、主な症状、そして対処法を詳しく解説します。

原因

1. 原発性月経痛
• 健康な女性に見られる、生理そのものに伴う痛み。
• 子宮収縮を促す プロスタグランジン という物質が過剰に分泌されることで、子宮の収縮が強くなり痛みを引き起こします。
• 思春期や20代前半に多い。

2. 続発性月経痛
• 病気や異常が原因で起こる生理痛。
• 子宮内膜症、子宮筋腫、骨盤内炎症性疾患、子宮腺筋症 などの疾患が原因。
• 痛みが年々ひどくなる場合や、生理以外のときにも痛む場合は続発性が疑われます。

3. その他の要因
• ストレスや疲労：自律神経の乱れがホルモンバランスに影響。
• 冷え：血流が悪くなり痛みが悪化。
• 運動不足：子宮周辺の筋肉が硬くなる。

症状

• 下腹部の鈍い痛み、刺すような痛み
• 腰痛や背中の痛み
• 吐き気や嘔吐
• 頭痛やめまい
• 下痢や便秘
• 手足の冷え
• 倦怠感、集中力の低下

対処法

1. 生活習慣の見直し
• 体を温める
• 温かい飲み物（生姜湯、ハーブティーなど）を飲む。
• お腹や腰に湯たんぽやカイロを当てる。
• 半身浴で血行を促進。
• バランスの取れた食事
• ビタミンB群（豚肉、バナナ）、ビタミンE（ナッツ類）、マグネシウム（海藻、ナッツ）を積極的に摂取。
• 塩分やカフェインを控える。
• 適度な運動
• ヨガやストレッチ、ウォーキングなど軽い運動を習慣化する。
• ストレス管理
• 瞑想や深呼吸、アロマセラピーでリラックス。

2. 痛みを和らげる方法
• 市販薬
• 鎮痛薬（NSAIDs）：イブプロフェン、ロキソプロフェンなど。痛みがひどくなる前に服用するのが効果的。
• 漢方薬：当帰芍薬散（冷え性に効果的）、加味逍遥散（ストレスが原因の場合に有効）。
• 温熱療法
• 湯たんぽ、電気毛布、温めたタオルでお腹や腰を温める。

3. 医療機関での治療
• 低用量ピル
• ホルモンバランスを調整し、痛みを軽減。
• ホルモン療法
• プロゲステロン剤やGnRHアゴニストなどを用いることも。
• 手術
• 子宮内膜症や子宮筋腫が原因の場合、手術が必要になることがあります。

4. その他の対処法
• マッサージやツボ押し
• ツボ「三陰交」（足首内側）や「関元」（おへその下）を優しく押す。
• ハーブティー
• カモミールやラズベリーリーフティーは鎮静効果が期待できます。
• 運動療法
• 骨盤周辺の筋肉を緩めるヨガポーズ（子どものポーズ、猫のポーズなど）が効果的。

注意が必要な場合

以下の症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください：
• 市販薬で痛みが治まらない
• 痛みが年々悪化している
• 出血量が極端に多い（大量の血の塊を伴う）
• 生理以外のときにも腹痛がある
• 不妊や性交痛がある

まとめ
生理痛は軽度であればセルフケアで対応できますが、重度の場合は病気が隠れている可能性もあります。
特に、痛みが年々ひどくなる場合や日常生活に支障をきたす場合は、
早めに婦人科で診察を受けることをおすすめします。