変形性膝関節症

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変形性膝関節症は、膝関節の軟骨が摩耗・劣化することで痛みや機能障害を引き起こす慢性的な疾患です。
特に中高年層に多く見られ、放置すると症状が悪化しやすい特徴があります。
以下に、原因、症状、対処法を詳しく説明します。

原因

直接的な原因
1. 加齢:
• 軟骨が老化して弾力を失い、摩耗しやすくなる。
2. 過剰な負荷:
• 長期間にわたる膝への負担(立ち仕事、階段の上り下り、肥満など)。
3. 膝の外傷:
• 過去の膝の捻挫、骨折、靭帯損傷などの外傷。
4. 関節の異常な動き:
• O脚やX脚など、膝の軸のズレによる負荷の偏り。

リスク要因
• 肥満: 体重が増えると膝関節にかかる負担が増大。
• 性別: 女性は特に閉経後、ホルモンバランスの変化により発症リスクが高い。
• 遺伝: 家族に変形性膝関節症がある場合、発症リスクが高まる。
• 運動やスポーツ: 長期間の過度な運動で膝が酷使される。

症状

初期症状
• 膝の違和感: 歩行や立ち上がり時の軽い痛み。
• 動き始めの痛み: 朝や長時間座った後に膝を動かす際に感じる痛み。
• こわばり: 関節が硬く、動きにくい。

進行した症状
• 持続的な痛み: 日常生活でも痛みを感じるようになる。
• 膝の腫れや変形: 関節が腫れ、O脚や膝の変形が目立つ。
• 運動制限: 膝が十分に曲がらず、階段の上り下りや正座が困難。
• 関節の不安定感: 膝がぐらつく感じがする。

末期症状
• 強い痛みで歩行が困難。
• 関節の可動域が大幅に制限。
• 膝の変形が顕著で、見た目にも明らか。

対処法

初期段階
1. 生活習慣の改善:
• 体重管理: 減量することで膝への負担を軽減。
• 負荷の軽減: 長時間の立位や無理な運動を避ける。
2. 適度な運動:
• 筋力トレーニングで膝を支える筋肉(大腿四頭筋など)を強化。
• ウォーキング、水中運動、自転車エクササイズなど負担が少ない運動を選ぶ。
3. ストレッチ:
• 膝や周辺筋肉の柔軟性を高め、関節の動きを滑らかにする。
4. サポート器具の利用:
• 膝サポーターやインソールで膝の安定性を確保。

進行した段階
1. 薬物療法:
• 鎮痛剤: 痛みを緩和するためのアセトアミノフェンやNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)。
• ヒアルロン酸注射: 関節の潤滑を改善。
• ステロイド注射: 関節の炎症や腫れを抑える。
2. 物理療法:
• 温熱療法や超音波治療で血行を促進し、痛みを軽減。
3. リハビリテーション:
• 専門家の指導で膝周辺の筋力や柔軟性を回復。
4. 杖の使用:
• 歩行時に膝への負担を軽減。

末期段階
1. 手術療法:
• 関節鏡視下手術: 軟骨の欠片や炎症部分を取り除く(軽度~中度の場合)。
• 人工関節置換術: 変形が進行し、関節が機能しなくなった場合、人工関節に置き換える手術。
2. 術後のリハビリ:
• 手術後は、専門的なリハビリを行い、日常生活への復帰を目指す。

予防方法

1. 体重管理:
• 適正体重を維持し、膝への負担を最小限に。
2. 筋力強化:
• 大腿四頭筋やハムストリングスを鍛えて膝の安定性を向上。
3. 柔軟性の向上:
• 日々のストレッチで膝周辺の筋肉を柔らかく保つ。
4. 正しい姿勢と動作:
• 長時間の座りっぱなしや無理な膝の使い方を避ける。
5. 適切な靴を選ぶ:
• 衝撃吸収性の高い靴やインソールを利用。

医師を受診するタイミング
• 膝の痛みや腫れが数週間続く場合。
• 膝の変形や不安定感が強い場合。
• 日常生活が痛みで大きく制限されている場合。

変形性膝関節症は早期発見・治療が重要です。適切なケアを続けることで、
症状の進行を遅らせ、生活の質を向上させることができます。

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