変形性脊椎炎

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変形性脊椎炎は、加齢や繰り返しの負荷により、脊椎(背骨)やその周囲の
構造(椎間板、靭帯、関節)が変性し、変形する状態を指します。
この疾患は主に中高年以降に多く見られ、腰椎や頸椎(首の部分)で発症しやすいのが特徴です。

原因

1. 加齢による変化
• 年齢を重ねると、椎間板や関節、靭帯が徐々に劣化し、脊椎の変形が進行します。
• 椎間板の水分が減少し、弾力性が失われることで負荷が増加。

2. 姿勢の乱れ
• 長時間の悪い姿勢(猫背、前傾姿勢など)が脊椎に負担をかけます。

3. 運動や仕事による負荷
• 重い物を持ち上げる仕事やスポーツなどで、脊椎に繰り返しの負荷がかかる。

4. 肥満
• 体重の増加により、腰椎や膝などに過剰な負担がかかります。

5. 遺伝的要因
• 家族歴がある場合、変形性脊椎症になりやすい傾向があります。

6. その他の要因
• 外傷や事故、椎間板ヘルニアなどの過去の疾患。
• 骨粗しょう症や関節リウマチなどの病気。

症状

初期症状
• 初期段階では無症状のことが多いですが、進行すると以下の症状が現れます:

一般的な症状
1. 腰痛や背部痛
• 動作時に痛みが強くなることが多い。
• 朝起きたときや長時間同じ姿勢をとった後に痛みを感じやすい。
2. 首の痛み(頸椎の場合)
• 首や肩のこり、頭痛が伴うことも。
3. しびれや感覚異常
• 脊椎の変形が神経を圧迫すると、腕や脚にしびれや感覚異常が現れます。
4. 筋力低下
• 手や脚の筋力が弱まり、歩行や物を持つ動作が困難になる。
5. 間欠性跛行(腰椎の場合)
• 歩行中に脚の痛みやしびれが強くなり、休むと改善。
6. 動きの制限
• 背中や腰、首の動きが硬くなり、可動域が狭くなる。

重症例の症状
• 神経圧迫が進行すると、排尿・排便障害や麻痺が発生することがあります。

対処法

1. 保存療法(手術を伴わない治療)
• 薬物療法
• 痛みや炎症を抑えるための鎮痛薬(非ステロイド系抗炎症薬:NSAIDs)を使用。
• 筋肉の緊張を和らげる筋弛緩薬。
• 神経痛に対する薬(リリカなど)。
• 物理療法
• 温熱療法(ホットパック、温泉など)。
• 電気療法や超音波療法で血流を促進し、痛みを軽減。
• 装具療法
• コルセットやサポーターを使用して、脊椎を安定化。
• リハビリテーション
• 姿勢を改善し、筋力を強化するための運動療法を行います。
• ヨガやピラティスで柔軟性を向上させる。

2. 生活習慣の改善
• 体重管理
• 肥満は脊椎への負担を増加させるため、適切な体重を維持する。
• 正しい姿勢を意識
• 座るときは背筋を伸ばし、椅子の背もたれを活用。
• 長時間のデスクワークやスマホ操作では、定期的に立ち上がる。
• 適度な運動
• ウォーキングや軽いエクササイズを日常に取り入れる。

3. 神経ブロック注射
• 神経の炎症を抑えるために局所麻酔薬やステロイドを注射する治療法。
• 強い痛みや神経症状がある場合に有効。

4. 手術療法(重症例)
• 保存療法で効果がない場合や神経の圧迫が進行している場合は、手術が検討されます。
• 除圧術
• 神経への圧迫を取り除く手術。
• 脊椎固定術
• 不安定な脊椎を固定して安定化させる。

予防法

1. 日常生活での注意
• 無理な動作を避ける(重い物を持つときは腰を曲げず膝を使う)。
• 長時間同じ姿勢を取らない。
2. 筋力を維持
• 腹筋や背筋を鍛えることで脊椎への負担を軽減。
• ストレッチを日常に取り入れ、筋肉の柔軟性を保つ。
3. 定期的な健康診断
• 初期の変性や異常を早期に発見する。

注意点

• 痛みやしびれが日常生活に支障をきたす場合や、麻痺、排尿・排便障害がある場合は、
速やかに整形外科や脊椎専門医を受診してください。
• 他の疾患(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など)と症状が似ているため、適切な診断が重要です。

まとめ
変形性脊椎症は加齢による自然な変化が原因ですが、早期のケアや生活習慣の見直しで進行を遅らせたり、
症状を軽減したりすることが可能です。適切な治療と日常生活での予防を心がけましょう。

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