三叉神経痛

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三叉神経痛(さんさしんけいつう)は、顔面の感覚を司る三叉神経に激しい痛みが
生じる病気です。
痛みは一時的で突発的で、通常は顔の一部に強く現れます。
この疾患は「顔面の電撃痛」とも呼ばれることがあります。

原因

三叉神経痛の原因は、以下のようなものがあります。
1. 血管圧迫:
• 最も一般的な原因は、三叉神経が血管(通常は動脈)によって圧迫されることです。
血管が三叉神経に圧力をかけると、神経の信号が異常になり、痛みが発生します。
これが原発性三叉神経痛と呼ばれます。
2. 神経の損傷や圧迫:
• 頭部や顔面の外傷、または腫瘍が神経を圧迫することによって三叉神経痛が
発生することがあります。これが二次性三叉神経痛です。
3. 神経の血行不良:
• 糖尿病や動脈硬化などの血流障害が原因で神経が損傷し、痛みが生じることがあります。
4. 多発性硬化症:
• 多発性硬化症などの神経疾患により、三叉神経が障害されることもあります。
これによって三叉神経の機能が異常になり、痛みを引き起こします。
5. 神経炎:
• 神経の炎症が原因で痛みが生じる場合もあります。たとえば、帯状疱疹後に
神経が炎症を起こすことがあります。

症状

三叉神経痛の主な症状は、顔面の片側に突然起こる激しい痛みです。
症状には以下の特徴があります。
1. 顔面の激しい痛み:
• 痛みは通常、顔の片側に現れ、目の周り、額、鼻、頬、
または顎のいずれかに強い電撃痛が発生します。
• 痛みは鋭く、突発的で短時間(数秒から数分)続きます。
• 痛みは非常に強烈で、電気ショックを受けたような感覚と言われることが多いです。
2. 特定の刺激で痛みが誘発される:
• 顔を触ったり、洗顔、食事、歯磨き、風を浴びるなどの動作で
痛みが引き起こされることがあります。
3. 痛みが繰り返し現れる:
• 一度痛みが発生すると、再発を繰り返すことが多いです。
時間が経過するごとに痛みの頻度や強度が増すことがあります。
4. 発作と発作の間に無症状:
• 発作的な痛みが現れると、痛みが完全に治まることが多く、
発作の間に痛みを感じることはありません。

対処法

三叉神経痛の治療は、原因に応じて症状を和らげることを目的としています。
以下の治療法があります。
1. 薬物療法:
• 抗けいれん薬(カルバマゼピン): 最も一般的な治療法であり、
三叉神経痛の発作を抑える効果があります。
カルバマゼピンは、神経の異常な信号を抑える作用があります。
• 抗不安薬や抗うつ薬: 一部の患者に対して、痛みの管理のためにこれらの薬が使用されることがあります。
• 筋弛緩薬: 筋肉の緊張を和らげる薬が、痛みの軽減に役立つことがあります。
2. 外科的治療:
• 血管圧迫解除手術(微小血管減圧術): 血管が神経を圧迫している場合、
外科的に血管と神経の間にクッションを入れて圧迫を解放する手術が行われることがあります。
• ガンマナイフ治療: 放射線を使用して神経を部分的に破壊する方法です。
手術が適さない場合に使用されます。
• 神経切除や選択的切除: これらの方法は、痛みを軽減するために、
神経の一部を切除する方法です。手術後に麻痺や感覚の異常が生じることもあります。
3. 神経ブロック:
• 三叉神経の痛みを緩和するために、局所麻酔薬やステロイドを神経周囲に注射することがあります。
これにより痛みを和らげることができます。
4. 生活習慣の改善とストレス管理:
• ストレスが痛みを悪化させることがあるため、リラクゼーション法や
ストレス管理を取り入れることが有効です。

回復と予後

三叉神経痛の回復は治療法に依存しますが、薬物療法が効果的であることが多いです。
手術やガンマナイフ治療は、薬物が効かない場合や重度の症状がある場合に選択されます。
症状が改善しても、再発することがあるため、継続的な治療と管理が重要です。

再発を防ぐためには、早期の治療を受けることが重要です。
三叉神経痛は治療で症状が軽減することが多いですが、完全に治癒しないこともあります。

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