モートン病（モートン神経腫）

モートン病（モートン神経腫）は、足の指の付け根部分（足趾の中足骨間）で
神経が圧迫され、炎症や痛みを引き起こす疾患です。特に、3～4趾間（中指と薬指の間）に
多く見られます。
以下に、原因、症状、対処法を詳しく解説します。

原因

圧迫や摩擦による神経の刺激
• 狭い靴やヒールの使用:
• 足先が圧迫されることで神経が圧迫され、炎症を引き起こす。
• 長時間の立ち仕事や運動:
• 足に繰り返し負担がかかることで発症リスクが高まる。

足の構造的な問題
• 扁平足やハイアーチ:
• 足のアーチの異常が足趾間の神経に余分な負担をかける。
• 外反母趾:
• 足の骨格の歪みが神経の圧迫を助長。

その他の要因
• 筋力不足:
• 足底の筋肉や腱の弱さが負担を増加させる。
• 体重増加:
• 足にかかる体重の増加が症状を悪化させる。

症状

典型的な症状
1. 足の指の付け根の痛み:
• 鋭い痛みや灼熱感、または刺すような痛みを感じる。
2. しびれや感覚異常:
• 足の指（特に中指や薬指）のしびれや違和感。
3. 痛みの増強:
• 歩行中や狭い靴を履いたときに痛みが悪化。
4. 靴を脱ぐと楽になる:
• 圧迫が軽減されると痛みが和らぐ。

進行した場合
• 痛みが安静時にも続く。
• 足の神経周囲に小さなしこりが感じられることがある。

対処法

生活習慣の改善
1. 靴の見直し:
• つま先が広く、クッション性のある靴を選ぶ。
• 高すぎるヒールは避け、低めの靴に変更。
2. インソールの使用:
• アーチをサポートするオーダーメイドインソールを使用する。
• 足趾間の圧迫を軽減するためのパッドも効果的。

炎症を和らげる方法
1. アイシング:
• 痛む部分を1回15～20分、1日に数回冷やす。
2. 安静:
• 痛みが強い場合は運動を控え、足への負担を減らす。

ストレッチと筋力強化
1. 足底筋膜やふくらはぎのストレッチ:
• タオルを足裏に引っ掛けて足を伸ばす。
2. 足指の運動:
• タオルギャザー（足指でタオルをつかむ運動）で筋力を鍛える。

専門的治療
1. 理学療法:
• 足のアライメントを改善するトレーニングやストレッチを行う。
2. 薬物療法:
• 非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）で炎症や痛みを軽減。
3. 注射療法:
• 症状が重い場合、ステロイドや局所麻酔薬の注射を行う。
4. テーピングやサポート器具:
• 足趾間の負担を軽減するために使用。

手術療法
• 保守的な治療で症状が改善しない場合、手術が検討される。
• 神経切除術:
• 圧迫されている神経の一部を切除する手術。
• 骨切り術:
• 骨の配列を調整して神経への圧迫を軽減。

予防方法

1. 正しい靴選び:
• つま先が広く、足を圧迫しない靴を選ぶ。
• クッション性の高いインソールを利用。
2. 適切な体重管理:
• 体重を減らして足への負担を軽減する。
3. 筋力バランスの維持:
• 足底やふくらはぎの筋肉を定期的に鍛える。
4. 長時間の立位を避ける:
• 足への負担を分散するため、休憩を挟む。
5. 柔軟性を保つ:
• 足指やふくらはぎのストレッチを日常に取り入れる。

医師を受診すべきタイミング
• 痛みやしびれが数週間以上続く場合。
• 足のしびれや違和感が悪化する場合。
• 日常生活に支障をきたすほどの痛みがある場合。

モートン病は早期に適切な対応を行えば症状が改善することが多いですが、
放置すると慢性化する可能性があります。
無理をせず、適切なケアや治療を受けることが重要です。