ヘバーデン結節

ヘバーデン結節は、指の第一関節（指先に近い関節）が変形し、
痛みや腫れを伴う慢性的な疾患です。特に40～60代以降の女性に多く見られます。

原因

ヘバーデン結節の原因は完全には解明されていませんが、
以下の要因が関与しているとされています

1. 遺伝的要因
• 家族内で同様の疾患を持つ場合、発症リスクが高い。
• 特定の体質や遺伝的要因が関与している可能性がある。

2. 関節の酷使
• 長年にわたる指の酷使や繰り返しの動作（タイピング、手作業など）。
• 手先を多用する職業や趣味が影響することがある。

3. 加齢
• 加齢に伴う関節軟骨の摩耗や劣化。
• ホルモンバランスの変化（特に更年期の女性）が関係する。

4. 他の疾患との関連
• 変形性関節症の一種として発症することがある。
• 関節の慢性炎症が原因となる場合もある。

症状

ヘバーデン結節の症状は以下のような特徴があります：

1. 関節の腫れやこぶ
• 指の第一関節に骨のこぶ（結節）ができる。
• 初期は痛みを伴うが、進行すると痛みが軽減することもある。

2. 痛み
• 指先の関節がズキズキする痛み。
• 作業中や動かしたときに特に痛む。

3. こわばり
• 朝起きたときや長時間手を使わなかった後に関節が硬く感じる。

4. 関節の変形
• 関節が太くなり、指の形が変わる。
• 進行すると関節の動きが制限される。

5. 他の関節への広がり
• 最初は特定の指に現れるが、他の指にも広がることがある。

対処法

1. 保存療法（自己管理・非手術的治療）
• 安静
• 痛みがあるときは、手や指を休ませる。
• 温熱療法
• 温めることで血流を促進し、痛みやこわばりを軽減。
• ストレッチ
• 指をやさしく動かして関節の柔軟性を保つ。
• サポーターやテーピング
• 関節の保護や負担軽減のために使用する。

2. 薬物療法
• 痛み止め（鎮痛薬）
• 市販のNSAIDs（非ステロイド性抗炎症薬）や処方薬で痛みを抑える。
• 湿布や軟膏
• 炎症や腫れを軽減するために使用。

3. 医療機関での治療
• リハビリテーション
• 理学療法士による指のストレッチや運動指導。
• ステロイド注射
• 痛みや腫れが強い場合、患部にステロイド注射を行う。
• 手術
• 症状が重く、保存療法で改善しない場合に検討される（例：骨のこぶを取り除く手術）。

予防方法
• 指の酷使を避ける
• 長時間同じ作業を続けないようにする。
• 適度な休憩を取り、手を休ませる。
• 適切な姿勢
• 作業中、手や指に無理な力をかけない。
• ストレッチや運動
• 指や手首を軽く動かし、柔軟性を保つ。
• 栄養管理
• 関節の健康に良い食事（カルシウムやビタミンDを含む食品）を意識する。

注意点

ヘバーデン結節は、進行すると関節の変形が元に戻らないことがあります。
ただし、痛みのコントロールや進行を遅らせることは可能です。
症状が気になる場合は、早めに整骨院を受診し、適切な診断と治療を受けることをおすすめします。