ドケルバン病

ドケルバン病（De Quervain病）は、手首の親指側の腱鞘炎の一種で、
主に親指を動かす腱（長母指外転筋と短母指伸筋）とその周囲の腱鞘が炎症を起こす疾患です。

原因

ドケルバン病は、以下の要因が主な原因とされています

1. 繰り返し動作
• 親指を頻繁に使う動作
• 育児（赤ちゃんを抱える動作）。
• パソコン作業（マウスやキーボード操作）。
• スマートフォンの操作（特に親指を使ったスクロール）。
• 手芸や料理など、指を酷使する作業。

2. 手首や親指の負担
• 長時間にわたる力仕事や重いものを持つ動作。
• 不自然な手首の動きや姿勢。

3. ホルモンバランスの変化
• 妊娠中や産後、更年期の女性に多く見られる。
• ホルモンの影響で腱や腱鞘が弱くなりやすい。

4. その他の要因
• 外傷：手首や親指への直接的な損傷。
• リウマチ：関節や腱鞘に炎症を引き起こす。

症状

ドケルバン病の主な症状は以下の通りです：
1. 親指側の手首の痛み
• 痛みが親指の付け根から手首にかけて感じられる。
• 手を使う動作（物を持つ、絞る、握る）で痛みが悪化。
2. 腫れ
• 手首の親指側に腫れが生じることがある。
3. 動きの制限
• 親指や手首を動かすのが困難になる。
4. 引っかかり感
• 親指を動かした際に引っかかり感や違和感を覚えることがある。
5. 握力の低下
• 痛みのために握力が弱くなる。
6. フィンケルシュタインテスト陽性
• 親指を握り込んで手首を小指側に曲げると強い痛みが生じる。

対処法

ドケルバン病は、症状の重さに応じて以下の対処法を取ります。

1. 自己管理による対処
• 安静
• 手首や親指を休ませ、繰り返し動作を避ける。
• サポーターや固定具
• 手首と親指を固定し、腱への負担を軽減する。
• 冷却
• 痛みや腫れがある場合、氷を使って患部を冷やす（15～20分程度）。

2. 医療機関での治療
• 薬物療法
• 抗炎症薬（NSAIDs）を使用して炎症を抑える。
• 痛みが強い場合、ステロイド注射を患部に行う。
• 理学療法
• 理学療法士の指導によりストレッチやマッサージを行う。
• 超音波療法
• 炎症を軽減するために超音波を用いた治療を行う。

3. 手術
• 症状が慢性化し、保存療法が効果を示さない場合に検討。
• 腱鞘を切開して腱の動きを改善する。

予防方法
• 繰り返し動作を減らす
• 長時間のスマホやパソコン作業を避ける。
• 作業の合間に休憩を取り、手首や指を休ませる。
• 適切な姿勢や道具の使用
• 手首に負担がかからない姿勢を保つ。
• 腱鞘炎予防のためのサポートグッズを活用する。
• ストレッチや運動
• 日常的に手首や指のストレッチを行い、柔軟性を保つ。

注意点

痛みが長引いたり、日常生活に支障が出る場合は、早めに整骨院を受診してください。
適切な施術を受けることで、症状の悪化を防ぐことができます。