シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)

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シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)は、脛骨(すねの骨)の内側に痛みが生じる障害です。
ランニングやジャンプなど、足に繰り返し負担がかかるスポーツを行う人に多く見られます。
以下に、原因、症状、対処法を詳しく解説します。

原因

過剰な負荷
• 短期間で運動量や運動強度を急激に増やした場合。
• ランニングやジャンプの頻度や距離が急増。

不適切なランニングフォーム
• 足が内側に過剰に倒れる過回内。
• 歩幅が大きすぎるなどのフォーム不良。

筋力や柔軟性の不足
• ふくらはぎや足首の筋力不足や柔軟性の低下により、すねに負担が集中。

外的要因
• 硬い地面(アスファルトやコンクリート)での運動。
• クッション性の低い、適切でない靴の使用。

解剖学的要因
• 扁平足やハイアーチ(足のアーチが高すぎる)。
• O脚やX脚などの脚のアライメントの異常。

症状

1. 初期症状:
• 運動時や運動直後に脛骨の内側に痛みを感じる。
• 運動を続けると徐々に痛みが悪化。
2. 進行症状:
• 軽い運動や歩行でも痛みを感じる。
• 脛骨内側に触れると痛みを伴う(圧痛)。
• 腫れや炎症が見られる場合もある。
3. 重度の場合:
• 安静時にも痛みが持続。
• ストレス骨折に進行する可能性がある。

対処法

運動の中止と安静
• 痛みがある場合は、すぐに運動を中止し、負担を軽減。
• 安静期間を設ける(通常、痛みがなくなるまで数週間)。

初期の対処(炎症の軽減)
1. アイシング:
• 痛む部分を1回15~20分、1日に2~3回冷やす。
• 運動後や痛みを感じた際に行う。
2. 圧迫:
• 弾性包帯で患部を軽く圧迫し、腫れを抑える。
3. 挙上:
• 足を心臓より高い位置に置き、血流を促進。

運動再開時の注意点
1. 運動の段階的再開:
• 痛みが完全に消えてから運動を再開。
• 最初は低強度の運動(ウォーキングや水中運動)から始める。
2. トレーニング量の調整:
• 距離や時間を徐々に増やし、急激な負荷を避ける。

筋力と柔軟性の向上
1. ストレッチ:
• ふくらはぎのストレッチ:
• 壁に手をついて片足を後ろに伸ばし、ふくらはぎを伸ばす。
• 足首のストレッチ:
• 足首を前後に動かしたり、回す動作で柔軟性を高める。
2. 筋力強化:
• ふくらはぎの筋力トレーニング:
• つま先立ちを繰り返す動作。
• 足のアーチを支える筋肉を強化:
• タオルギャザー(足指でタオルをつかむ運動)を行う。

靴やインソールの見直し
• クッション性が高く、アーチサポートがある靴を選ぶ。
• 扁平足やアーチが高い場合は、適切なインソールを使用。
• 靴の寿命を過ぎている場合は新しいものに交換。

外的要因の改善
• 柔らかい地面(芝生やトラック)で運動する。
• トレーニングコースを変更し、硬い路面を避ける。

専門的治療
1. 理学療法:
• 股関節、膝、足首のバランスを整える運動療法を実施。
• 正しいランニングフォームを学ぶ。
2. テーピングやサポーター:
• 脛骨の負担を軽減するためのテーピングを利用。
3. 医師の診察:
• 症状が長引く場合はストレス骨折の可能性があるため、整形外科医を受診。

予防方法

1. 適切な運動量の設定:
• トレーニングの強度や量を急激に増やさない。
• 「10%ルール」(1週間あたりの運動量を10%以上増やさない)を守る。
2. 正しい靴選び:
• 足に合った靴を選び、定期的に交換する。
3. 筋力と柔軟性の維持:
• 日常的にふくらはぎや足首の筋肉を鍛え、ストレッチを行う。
4. フォームの改善:
• ランニングフォームをチェックし、必要なら専門家の指導を受ける。
5. 適切な休息:
• 十分な休息日を設け、筋肉の回復を促進。

医師を受診すべき場合
• 痛みが安静にしても改善しない場合。
• 運動を再開するとすぐに再発する場合。
• 痛みが増し、腫れや強い圧痛がある場合。

シンスプリントは適切な休養と治療で改善することが多いですが、
再発を防ぐためには日常的なケアや運動習慣の見直しが重要です。

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